みなさま、こんにちは。
子供服工房「リアンジェ」デザイナーkumagaiです。
今回は、リアンジェの ”リメイク工程” について、画像を交えながらお話させていただきたいと思います♪
リアンジェでは リメイクドレスをお仕立てする際、 オートクチュール(※1)と同じ工程でドレスを製作しておりますので、ウェディングドレスのデザインを元に デザイン画を起こすところから始まります。
何もない状態からスタートしますので、あんなことも、こんなイメージも..思いのまま♪ 世界にただ一つの素敵なドレスをお届けするために、カラーはもちろん、ボリュームやシルエット、リボンの形一つひとつまで、ご要望をお伺いしながら ご希望を取り入れたデザインをご提案することが可能です。
あるいは「どんなふうにしたらいいか わからないわ…」と仰るお客様には、お母様がこだわり抜いてお選びになったウエディングドレスのデザインの特徴や、素材の良さを活かしつつ、お子様の可愛らしさを引き立てる”お上品で愛らしいデザイン”をご提案いたします ❀
※1「オートクチュール」=フルオーダー、専用の型紙を起こして製作します。「オーダーメイド」とも呼ばれます。
「haute」はフランス語で「高級な」「couture」は「縫製」「仕立て服」のことで、高級仕立服を意味します。
今回のブログ掲載にご協力頂きましたのは、東京都品川区にお住まいのM.N様。今年の秋に3歳になられるお嬢様の七五三用ドレスをご依頼いただきました。お送りいただいたウエディングドレスを拝見したのち、ご提案した3パターンのデザイン案の中からお選びいただいたのはこちら。⇓⇓⇓
「スカートがシンデレラのドレスみたい♪」と、お嬢様のご希望が強かったとか。女の子の憧れですものね♡可愛らしいですね*^-^*
お母様のウエディングドレスのビジュー部分の特徴も、コンパクトに再現されています。
そして今回は、リメイクのご要望として「将来的に長く着たいので、調節出来る様なカタチにしてほしい」という部分に重点をおきました。
ご提案したデザインの特性上、ゴムやアジャスターでの調節は不可能な上、体に沿わせたシルエットが崩れてしまう為、将来サイズアウトした際に、少し手直しをすることで2サイズUP可能になる様、工夫を織り込んでいます。
それでは、リアンジェのウエデイングドレスリメイクをどの様に作製しているか、一部ご紹介して参ります。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
1.上画像はウエディングドレス分解後の前スカート↑↑↑ 裾のラインをそのまま活かしてパターン作成⇒裁断します。この時、脇線の裾のビーズはミシンに当たるので一部外しておきます。こういった些細な作業を丹念に行う事で、仕上がり後の縫製の美しさに大きな違いが出てまいります。
2.↑↑↑こちらは後ろスカートのパターン。前スカートと裾のカーブが違うので、裾のラインがきれいに整うよう前スカートとのバランス(裾分量、ウエストタックの分量と向き)を見ながら、ウエディングドレスの後ろ中心部分を使ってパターンを作成し、裁断します。
3.↑↑↑ウエストタックをたたみ上見頃のウエスト寸法と同寸になっている事を確認します。生地の厚みがある場合、若干の誤差が出るためこの時点で修正していきます。
4.⇑⇑⇑ これは一体何???といった型紙の正体は、、そう、女の子の永遠の憧れ”シンデレラドレス”に見られるあのウエスト飾りの部分です✨ パニエ入のスカート分量に合わせてバイアス裁ちで癖付けしながらプリーツ線を固定しつつ、支える裏布地と縫い合わせをしていきます。
<前 ↓>
<後ろ ↓>
5.表スカート裾に飾りを乗せ、インナーパニエと合わせてシルエットの確認をします。↑↑↑ シンデレラドレスのスカート部分がだんだん形になってきました✩ ウエスト飾り後ろは、ファスナーを閉めたあと後ろ中心で紐を縛って固定する仕様です。
<裏側 ↓>
<サイド ↓>
6.上見頃~袖付、上下パーツを合体します✩パニエ付き裏スカートも装着。前のウエストラインにビジューを固定し、表に返します。
7.バランスを見て後ろリボンを作リます↑↑↑ バックリボンはドレスのボリュームに合わせてタレのボリュームを出し、エレガントなシルエットにしています。
サイズアウトした際のお直し方法として、後ろヨークの涙開きと、ウエスト飾り部分は普通に広げてしまうと背中がパックリ開いてしまい、ウエスト飾りが間延びしてしまいますので、その解決法として、縫代を多めに取るなどの他、お直しする場合は涙開きはレースリボンの編み上げに、飾りパーツは後ろ上下の接ぎ目に縫い込まず、リボン結びで調節可能になる仕組みになっています。
<ウエディングドレス ↓>
8.↑↑↑こちらはお母様のウエディングドレス。ビスチェ部分のプリーツと、びっしりと縫い込まれたビジューが美しいサテン素材のウエディングドレスから…….
9.ウエストラインと前裾のビジュー刺繍がとてもゴージャスな、シンデレラドレスさながらお姫様風ドレスが完成いたしました👗✨
この秋 お嬢様の七五三の晴れの日が、素晴らしい一日となります様、心を込めてお仕立てさせていただきました。ご両親の愛情に見守られ、愛らしいお子様がこれからも健やかにご成長されることを、リアンジェスタッフ一同、心よりお祈りいたしております。